大証FX 開始1年…低調取引 反転の兆し
証券大手参加、金融規制追い風
大阪証券取引所の外国為替証拠金(FX)取引市場「大証FX」が20日、昨年7月21日の取引開始から丸1年を迎えた。元手の数百倍の取引ができる店頭取引や、東京金融取引所の取引などの「先行組」に押され、商いは低水準が続いている。しかし、証券大手の相次ぐ参加や規制強化を追い風に、取引量拡大の兆しも出てきた。
(杉目真吾)
■裏目
大証FXは低迷が続いているが、今後の取引拡大に期待がかかる(大阪証券取引所の売買監視室で)
FX取引のデータは、店頭取引と大証との間で発表の仕方が異なり、単純比較ができない。ただ、金融先物取引業協会などによると、店頭取引が全体の90%近く、東京金融取引所が2005年に始めた「くりっく365」が8、9%程度を占め、大証FXは1、2%程度にとどまっている。
そもそも大証がFX取引に参入したのは、現物株市場の取引が低調な中で、東京証券取引所とは異なる取引を取り込むことで市場活性化を図る狙いがあった。同時に、店頭取引では頻発していた業者破綻などによるトラブルを避けるため、取引可能な金額を証拠金の最大30倍に抑えたり、取引できる通貨を主要通貨に絞ったりして、「透明性が高く、安全な取引」をPRした。
こうした配慮が、投資家や証券会社にとっては「FX取引の特徴を損なう」と映り、市場活性化という面では裏目に出た格好だ。
さらに、「公的な色合いが強い取引所が、目立つキャンペーンや割引サービスに乗り出すのは適切でない」(大証)として、証券会社によるセミナー開催への資金援助など、取引の認知度向上への取り組みが中途半端だった面もある。
■期待
ただ、大証FXの6月の取引量は前月比で27・8%増え、2か月連続で過去最高を更新した。2月以降は、5か月連続で前月比プラスとなっている。今年に入り、参加手数料の割引が奏功してネット証券大手の松井証券やマネックス証券が相次いで参加した上、ユーロ、豪ドルが安値圏内で激しく変動し、個人投資家の短期売買が膨らんだためだ。
今月26日からは、証券最大手の野村証券が参加する。証券会社の店頭で大証FXの取引が本格的に広がることが期待される。
さらに、8月1日には、店頭取引が強みとしていた証拠金倍率に対し、最大50倍という規制が始まる。そのため、「店頭取引から、税制面での優遇などがある取引所取引への切り替えが進む」(カブドットコム証券)とみられ、「大証の信頼性をアピールし、さらに使い勝手を高めれば、勝ち目がある」(岩井証券・有沢正一イワイ・リサーチセンター長)との指摘もある。
大証としては、初心者向けセミナーを継続するなど、一般の個人投資家をどれだけ呼び込めるかが、取引拡大のカギを握りそうだ。
大阪証券取引所の外国為替証拠金(FX)取引市場「大証FX」が20日、昨年7月21日の取引開始から丸1年を迎えた。元手の数百倍の取引ができる店頭取引や、東京金融取引所の取引などの「先行組」に押され、商いは低水準が続いている。しかし、証券大手の相次ぐ参加や規制強化を追い風に、取引量拡大の兆しも出てきた。
(杉目真吾)
■裏目
大証FXは低迷が続いているが、今後の取引拡大に期待がかかる(大阪証券取引所の売買監視室で)
FX取引のデータは、店頭取引と大証との間で発表の仕方が異なり、単純比較ができない。ただ、金融先物取引業協会などによると、店頭取引が全体の90%近く、東京金融取引所が2005年に始めた「くりっく365」が8、9%程度を占め、大証FXは1、2%程度にとどまっている。
そもそも大証がFX取引に参入したのは、現物株市場の取引が低調な中で、東京証券取引所とは異なる取引を取り込むことで市場活性化を図る狙いがあった。同時に、店頭取引では頻発していた業者破綻などによるトラブルを避けるため、取引可能な金額を証拠金の最大30倍に抑えたり、取引できる通貨を主要通貨に絞ったりして、「透明性が高く、安全な取引」をPRした。
こうした配慮が、投資家や証券会社にとっては「FX取引の特徴を損なう」と映り、市場活性化という面では裏目に出た格好だ。
さらに、「公的な色合いが強い取引所が、目立つキャンペーンや割引サービスに乗り出すのは適切でない」(大証)として、証券会社によるセミナー開催への資金援助など、取引の認知度向上への取り組みが中途半端だった面もある。
■期待
ただ、大証FXの6月の取引量は前月比で27・8%増え、2か月連続で過去最高を更新した。2月以降は、5か月連続で前月比プラスとなっている。今年に入り、参加手数料の割引が奏功してネット証券大手の松井証券やマネックス証券が相次いで参加した上、ユーロ、豪ドルが安値圏内で激しく変動し、個人投資家の短期売買が膨らんだためだ。
今月26日からは、証券最大手の野村証券が参加する。証券会社の店頭で大証FXの取引が本格的に広がることが期待される。
さらに、8月1日には、店頭取引が強みとしていた証拠金倍率に対し、最大50倍という規制が始まる。そのため、「店頭取引から、税制面での優遇などがある取引所取引への切り替えが進む」(カブドットコム証券)とみられ、「大証の信頼性をアピールし、さらに使い勝手を高めれば、勝ち目がある」(岩井証券・有沢正一イワイ・リサーチセンター長)との指摘もある。
大証としては、初心者向けセミナーを継続するなど、一般の個人投資家をどれだけ呼び込めるかが、取引拡大のカギを握りそうだ。
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- 2010-07-22 23:10:34


